
土地活用が失敗する事例について、書いていこう。
A:まず、新築時の利回りです。土地を所有して「RC造で8.5%の表面利回りが出ない」のであれば、失敗とみなして良いでしょう。この失敗は、以下の3つに分類されます。
- 建ててはいけないエリアに建設した。
- 建てても良いエリアではあるが、建設費が高すぎる。
- 建てても良いエリアであるが、土地形状が土地活用に不適である。
順に説明します。
失敗理由①:建ててはいけないエリアに建設した
建ててはいけないエリア、首都圏の建設費では、賃料坪単価が35㎡で0.85万円に満たないエリアです。賃料坪単価が0.85万円というと、35㎡で9万円です。
これに満たしていても、③のように建物規模が小さければ、利回りは出ずらく、8.5%の利回りは出ないので建設費坪単価が高いRC造では建てるべきではないですね。
賃料坪単価が0.9万円を切るエリアでは売却時の流動性が極めて低くなるので、要検討が必要です。
失敗理由②:建設費が高すぎる
②の建設費が高すぎるに関しては、こちらの記事『究極の土地活用とマンション建設費とデットクロス』や『土地活用の収支比較!土地活用の最大のリスクは建設費が高いこと!』でご紹介していますので、ご一読ください。土地活用を検討している地主さんは必読です。
失敗理由③:土地形状が土地活用に不適である
③に関しても、賃料坪単価が1.0万円等、ある程度あるエリアでも、建物規模が延床面積で500㎡小さかったり、狭小地であれば、管理経費用が割高になり、建設費坪単価も抑えきれないので、不適です。
判断基準は、まず利回りで見るべきです。
その次に、人的な問題で利回り的に、誰が、どんなに愚かにやっても、10%程度の利回りが残せてしまうエリア、規模であっても、失敗するケースは有ります。山手線内の立地であれば、正しく土地活用12%-18%など利回りが出るエリアであっても、10%程度の利回りしか出せないのであれば、施主側の能力不足による人的な失敗です。
成功以外は失敗とみなす
施主側の能力とは、主に情報収集力、判断力、決断力、本質(人)を見抜く目です。
建築的な知識は、例えば、どのように生コンを打設するとか、躯体図は、どのように作成するとか、専門的なものは全く必要がありません。極論をいうと、誰をチームに加えるかという能力です。
戦国武将の能力を考えてみてください。宮本武蔵のような局地戦闘1対1の決闘が強い腕力が必要な訳ではないのです。人を見抜く目を持ち、情報収集力、判断力、決断力と統率力がある武将が、覇権を取るのです。
戦国武将ほどの能力を求めなくても、最低限の情報収集力と、判断力は絶対的に必要です。
B:人的な問題として失敗する事例として、
- 情報収集をそもそもしていない。
- 情報を収集したが、行動に移さず機を逃す。
- 一括見積比較サイトで情報収集を済まそうとする。
- 家族に最適解の合意が得られない。
- 判断を後回しにして、機を逃す。
- 立ち退きの失敗。
などがあげられます。
①に関しては、論外です。戦国時代なら、一発で敵に制圧されて、家を潰す雑魚キャラ武将ですね。
②③情報収集をした。
- →踏み込んだ情報収集をしない。
- →何もしないで機を逃す。または、一方的に提案されるものだけを正として愚かな判断をする。
ですね。
『土地活用比較サイトで一括比較しても土地活用は成功しない』の記事でも書きましたが、比較サイトに載っているような会社の建設費は、高いもの同士の比較です。
彼らの、事業収支を多くのオーナー様から見せて頂いてますが、建設費も提案利回りも話になりませんし、こんなので建てている愚かなオーナーが世の中には沢山いることを嘆かわしく思っています。
これが戦国時代であれば、朝廷からの情報、武将同士の会談だけの表面情報だけを信じ切り、裏切りや、謀略に嵌められる雑魚武将ですね。間者(忍者)を使って、情報収集をするような人間だけが生き残れます。
土地活用という戦闘にはいるのであれば、孫氏の兵法の彼を知り己を知れば百戦殆うからずや、用間篇ぐらい知っておくべきでしょう。
④は、当社に問い合わせしてくるのは、地主様(土地所有者)の一族の息子さん世代(50歳台~30歳台)が多いのですが、ネット情報収集が得意ではない65歳~80歳台の親の説得が出来ず、最適解ではない判断をすることも多々あります。親の説得をするのに、論理的な思考を常に持ち合わせていなければ、いつまで経っても子ども扱いされるケースですね。
実際には、子供世代が、銀行融資を受ける際に、連帯保証人になり、建設後20年後付近のデッドクロスを迎えるころの融資の
全返済責任を負うのが自分であるにも関わらず、決死の説得交渉を試みようとしない。デッドクロスを迎える頃に、自己が70歳台を迎え、差し押さえられ惨めな老後を送るのが自分であるにも関わらず業者の養分になり続けることに、今気付かない。
これは、どう考えても、人的な、失敗ですね。
⑤に関しては、3年後建設費は落ちるとか、何々したらーやるなど、ずっと機を逃し続け、放置している地主さんですね。結局、決断できない人は、機を逃して私からも忘れられて、成功を得られることは在りません。
これは、独立起業でも何でもそうですね。
いつか独立するなどと言って、準備も行動もしていない人は独立することも、成功した人も見たことがありません。本気で独立し成功する人は、しっかりとした思考準備と、共に、行動力、決断力が絶対的に、伴っています。
それは、消して誰かの後に、ついていくのではなく、自ら下した決断を正解にし続けるという覚悟です。
⑥の立ち退きは交渉上のテクニカルな問題ですが、これを自分でやろうとして、失敗する人や、相手の、要求に応じられず、膠着状態に陥るケースは多々あります。不動産業者で、立ち退きに手慣れている人でなければ、余程関係性が無ければ、ファーストコンタクトで、賃借人の反応が悪ければ、弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士は、当社から立ち退き専門の優秀な弁護士さんを紹介することも可能ですし。仮に立ち退き料や弁護士費用が多少高い(自分でやった方が安い)と思っても、交渉期間中のトータルの家賃収入や機会損失、精神的負担を考えたら、お金を払って出した方が安いです。
同じこと言っていても、相手が弁護士であるのと、非弁護士の施主や不動産管理会社が言う(伝える)のとでは、圧力が違います。
例えば、年間家賃収入が4000万円入るのに、店舗の500万円⁻1000万円立退料が想定より高かったとしても、落としどころを探って、出した方が得ですよね。居住用なら500万円要求してきたらフザケンナで、良いとは思いますが、飲食店舗やってたら引っ越しして、新たに、お客さん呼んで、やるのは骨が折れますから、そこらへんは、相手の立場に立って考える必要がありますね。
機を逃すというのは、こういうところの決断力の不足にも出てきます。
土地活用について成功したいのであれば、他人の失敗事例については、先に頭に叩き込んでおく必要があります。
勝負事において、自己の失敗から学ぶことなど何も無く自己は必ず一発で成功する(勝つ)しありませんが、その前に他人の失敗は良く研究しておくべきです。