土地活用とコインパーキング
【コインパーキングの収益効果】
可能性があれば路面部分に最大限に活用すべきは駐車場(コインパーキング)です。
私も、車で営業や現場巡回をすることが多いですが、都心部は、何処もコインパーキングが少なく大体、職人さんの工事関係車両が、半分近くを埋めており、営業車は、値段を気にせず、とにかく空いている所に、止めざるを得ない状況です。
ちょっと2-3時間打合せから戻ってきたら3000円~5000円近く取られる時もあり借りる側としては財布が痛いのですが、中央区や港区など、場所によっては、1台で月に20万円以上稼ぐコインパーキングも多いようです。
これは、容積率を一切使わずに40㎡の1LDK分賃料が一つ増えるようなものですから、条例などで必要ない台数でも、無理やり隙間を見つけて、コインパーキングのスペースを可能な限り確保するべきだと思います。
それでは、駐車場追加により、どのように賃料収入また、利回りが変化するか、昔、土地購入を検討して買えなかったボツった物件から見ていきましょう(ボツった物件は、しつこくブログの玩具になります(笑))。
こちらの物件、東側と南側に、6mの道路があり、上階の道路斜線を天空率でかわすために、建物は、北西側に寄せて計画してあります。そして、北西側に寄せたことにより、南東側にコインパーキング用駐車場が3台確保できます。
この台東区のエリアで、1日、2500円/台として、パーキング機械を中古などで買って、自主管理(回収)すると、1台当たり75,000円/月で、3台では225,000円/月の収入になります。
225,000円というと少し大きめのワンルーム2部屋分以上の賃料収入ですね。収支に、どれぐらいの影響があるでしょうか?事業収支を下記のリンクに貼ります。
表面利回りで0.8%の差があり、大きく、収益性に寄与することがわかると思います。そして、この利回り差が大きく、将来的な物件価値を上げるのです。
売却時利回りを仮に5.0%と換算すると、売却価格は、
- コインパーキング有り 9億6408万円
- コインパーキング無し 9億1000万円
ですから、売却価格差として、5400万円の差が出てきます。
この物件は、台東区の条例でプランを書いてますが、1台当たり、20万円/月のパーキング収入が回収できる中央区等のエリアと仮定して、60万円の駐車場収入を収支に組みこんでみると、どうなるでしょうか?
住居部分の賃料も中央区に合わせて若干上げ目で設定し、下記の事業収支に示します。
1台当たり20万円のコインパーキング収益が3台分で、表面利回りは、なんと!2%以上跳ね上がります。
売却時利回りを仮に4.5%と換算すると、売却価格は、
- コインパーキング有り 12億7706万円
- コインパーキング無し 11億1706万円
ですから、売却価格差として、1億6000万円の差が出てきます。
前回の弊社のブログでご紹介した『土地活用と店舗(1階コンビニ) 土地活用の収支編』と、同様に土地活用で最も、最上位の概念は、土地の価値を最大化することです。
土地の価値を最大化するのは、頭の使いようですので、良く知恵を絞っていく必要が有ります。
【上記プランでの土地買いの仕入れ目線】
ここまでは、地主さん向けの収支を土地価格0円で組んできましたが、ここからは、上級者編です。
この土地を購入した場合、表面利回りを投資目線としての7.5%に乗るには、土地を1種幾らで購入すればよいのでしょうか?
1種については、こちらの超マニアック記事をご一読ください。
それでは、台東区、中央区の上記プランの買いの仕入れ目線を両方とも駐車場有で、書いていきましょう。
これぐらいのボリュームがある土地で、コインパーキング有りですと、台東区の賃料帯で1種90万円程度で採算が合いそうです。また中央区賃料帯では1種130万円程度でも行けそうですね。
総事業費が約8億円7.5%で仕込んで、4.5%の12億7千万円で売り抜け、4億7千万円粗利で稼ぐというビジネスモデルですね。