高度地区② 土地活用の豆知識㉗

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東京の高度地区に関して、以前、
高度地区 1種高度地区、2種高度地区、3種高度地区(東京都) 土地活用の豆知識⑤
の記事で書きましたが、本日は、パートナーの春日部幹建築設計事務所の高度地区の解説で更に理解を深めていただきます。
以下、春日部幹氏の文章です。

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【高度地区とは】

「高度地区」とは、北側隣地の日照や通風などを確保するための建築物の高さ制限です。建築基準法には「北側斜線」という同じような高さ制限がありますが、北側斜線は商業系や工業系の用途地域では対象外のため、主に都市部において、より細かい制限をかけるために定められているものです。そのため全国一律ではなく、自治体ごとに内容が異なります。計画敷地にどのような高度地区が指定されているかは、自治体のホームページの都市計画情報のページで、敷地の住所を検索して調べることができます。

高度地区は建物用途や規模に関係なく、すべての建築物に適用されます。また、高度地区には天空率などの緩和処置は使えません。特にマンションなどの中高層建築物の計画には大きく影響を与えますので、事前のボリュームチェックの段階で検討しておく必要があります。

【高度地区の内容】

高度地区は大きく分けて「斜線型」と「最高高さ型」および「斜線型+最高高さ型の組み合わせ型」の3種類があります。斜線型は北側斜線と同じような斜線制限で、さらに3種類に分かれており、図1のように厳しい方から順に第1種、第2種、第3種と呼ばれます。最高高さ型は17m、20m、30mなどシンプルに建物の最高高さを制限します。組み合わせ型は、斜線制限と最高高さ制限の両方がかかります。まれに、最低限度高度地区という建物高さの「最低」限度が定められている場合もあります。

建物高さの基準は「地盤面」(※1)になります。斜線型の場合は北側の隣地境界線から「真北方向(※2)」に斜めに制限がかかり、斜線を超えて建築することはできません。建物高さには階段室などの塔屋も含まれます。北側が道路や線路などの場合は隣地境界線でなく、敷地と反対側の道路または線路の境界線からに緩和されます。北側隣地が計画敷地より1m以上高い場合にも緩和処置があります。

※1「地盤面」とは、建築物の四周が接する地面の高さの平均値のことです。敷地が斜面地の場合や、建物の周囲にドライエリア(からぼり)がある場合などは、地盤面の算定方法が通常と異なる場合がありますので注意して下さい。

※2「真北(しんぼく)方向」とは、経線が示す北方向のことで、縮尺2万5千分の1の地形図では上方向が真北になっています。住宅地図の上方向は厳密には真北ではありませんので注意して下さい。また、コンパス(方位磁針)が示す磁北(じほく)とも異なります。真北方向はスマホのコンパスアプリでも分かりますが、建築確認を申請する場合には、真北測量による正確な測定が求められます。

【高度地区の具体例】

簡単な計画実例で見てみましょう。図2のように、自治体のホームページで調べると、計画敷地の高度地区の内容を知ることができます。ここでは、環7通りの道路境界線から25mの範囲内は「30m第3種高度地区(略記号は30m-3)」が指定されていることが分かります(用途地域は「第2種住居地域(略記号は二住)」)。

「30m第3種高度地区」は、第3種高度地区(斜線型)と30mの最高高さ型の組み合わせ型ですので、図3のような建築制限になります。高度地区により敷地の北側部分で少しずつセットバックした8階建ての計画になることが分かります。道路は北側(厳密には北東側)のため、高度地区の緩和処置が適用できますので計画に影響を受けません。

これを平面図に示したものが図4です。先ほどの図3は、図4中央に書かれた切断位置で真北方向に切った断面図になります。

この敷地における高度地区の検討は以上です。しかし、高度地区の指定がある場合は、同時に日影規制も指定されていることが多く、合わせて検討が必要です。図2を見直してみると、敷地には「5h/3h(略記号は5-3/4m)」の日影規制が指定されており、さらに環7から25m以降は「4h/2.5h(略記号は4-2.5/1.5m)」と、さらに厳しい日影規制が指定されています。これらの日影規制を検討してみると、同じ平面形状のままであれば、実はこの敷地では、図5のように5階建てまでしか建てることができません。

この敷地と平面形状では、高度地区よりも日影規制の方がより厳しい結果になるわけです。そこで、建物配置や平面形状を見直したりして、高度地区と日影規制をともにクリアするような最適な計画にブラッシュアップしていくことになります。
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以上、高度地区の解説は如何でしたでしょうか?
今後も、土地活用におけるマンション新築において建築主様の理解が深まる記事を更新していきます。

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