リーマンショック級?の東京の総着工面積とアフターコロナの建設業景気動向

コロナショックが、まだ尾を引いている所ではありますが、東京の建設業の状況を統計を見ながら把握していきましょう。

まず、国土交通省から出ている統計数値をグラフ化したもので、着工面積の合計を示した図を書きに示します。

この数値は、前6カ月の数値を合計したものを使っております。
例えば、9月で示されている数字は、9月~4月までの6カ月分の合計値を示しています。
また、構造種別は無しに、木造から鉄骨、RC、SRCと全ての構造での着工面積の総計です。

東京の着工面積のみのグラフですが、緑線が居住用(住宅)青が非居住用(住宅以外)です。
総面積的には、2009年末のリーマンショックの際の面積と、現在の面積は、ほぼ同面積である事が解ります。
※2007年末の大きな落ち込みは姉歯問題での改正建築基準法のゴタゴタで確認申請が下りずに、法改正の問題で、そもそも着工が出来ませんでした。

世の建設需要は、リーマンショックの直後の最悪期程度の面積しか無い事が解ります。
当時との傾向の違いは、リーマンショックのことは、非居住用の落ち込み幅が、それ程ではなかったのに比べて、
今回は、非居住用と、居住用両方とも低迷していることがあげられるとは思います。

但し、建設業も景気は悪いことは悪いですが、まだ、需給的に、リーマンショックの頃のように壊滅的な状況にはなっておりません。

建設業は、この10年以上で、リーマンショック以前と比べて規模を大きく縮小しているので、下落幅が強烈にあるというまでの感じではなく、アベノミクスバブルの一瞬の調整局面を迎えた2016年頭の頃や、インバウンド狙いやオリンピックに向けたホテル着工等に若干の陰りを見せていた2019年初旬に一瞬落ちた程度の着工面積とも見る事も出来ます。

今後、この着工面積の低迷が、一瞬の出来事なのか、しばらく続く事なのかが、今後の建設業の状況に大きな影響を与えることになります。

建設業の景気は、遅効性が有り、暫くは、前の景気で着工した物件は工事中で、残っているので、職人さん達は、景気の後退を体感するまでは、タイムラグがあり、一瞬の着工数の低迷ぐらいでは、仕事量に大きな影響を感じることは少ないです。
一方で、今より単価が上がることは無い、少し下がるだろうなということぐらいは、認識はしているでしょう、

帝国データバンクの景気動向調査9月調査(10月5日公表)を見てみましょう。
1ページ目の全国の景気DIを見ると、2020年5月頃の25程度から9月現在31.6までは持ち直しては来ています。
流石に、今年の5月は、殆ど外出できずに、経済活動も行われていないので、そこからは回復していることが解ります。

誰もが営業に出歩けない空気感の景気と比べたら流石に回復していないとマズイですよね。

一方で景況感予測として1ページ目右の『今後の見通し』を見てみると、全体では、暫く横ばいで、2021年の5月頃から、ジワジワと持ち直すという予測が出ています。

建設業・不動産業に目を向けると、5月より回復は、してきていますが、全体の景気が悪い中で、新規の設備投資や、分譲マンション着工は慎重にならざるを得ない状況ではあるので、現在の全体の景気低迷が、どれぐらいの期間続くのか。
ここに懸かっているというところです。

現在の労働需給調査結果2020年8月は、プラスマイナス0程度を維持していますが、全体の景気低迷がもう半年程度続くと続くと、先に着工した物件やコロナ前から計画が有った物件が、工事中という循環が一段落して、労働需給はマイナスに触れる可能性もあると見ています。

現在、多くの金融機関は、保証協会の保証が付く、一般事業会社へのコロナ対策としての緊急融資については、回収リスクがノーリスク、又は、低いために積極的に行っていますが、不動産関係への融資は積極的ではない事が増えているように感じております。
リスクの低い緊急融資への対応に人員が割かれていることもあるかも知れませんが、特に現金等の資産を持っていない地主には、幾ら担保価値が有り利回りが出ている物件でも、メガバンク系は、激し目の判断を下すことも増えているように感じます。

また、不動産投資家への融資も他に大きな資産を持つような出す人には出すが、出さない人には全く出さないと極端になってきてはいます。ちょっと前の、ある程度の収入が有れば、資産があまりなくても出すという風潮が極めて稀な時勢であったとも考えられますが、中々厳しいです。

当社は、お陰様で、コロナ後にもCM契約を複数頂いており、暫くの間、見積物件はあるので、忙しく、今後の建設予定について見通しもついています。当社は、融資が余裕で通る投資家様や地主様、不動産投資家様からのお引き合いも多いので、今後も事業拡大を狙っておりますが、当社以外のゼネコンは、新規案件の話が減ってきているというのは、事実です。

当社のお客様のマンション新築への融資を、相談してる銀行担当者の話によると、
『不動産融資の厳格化は、融資が通せるお客さんが激減していると、行内でも疑問の声が上がっている。』ようですが、本部からの方針は、現段階では、そのような状況が続くだろうという事なので、これまで建てれた建築主への融資が通らなくなると建設業自体が、干上がってくるという影響は出て来るでしょう。

勿論、全ての、銀行が、そうだという訳ではないかもしれませんが、全体的な傾向としては、景気低迷が予測される中で、しばらく不動産融資は厳格化の方向でしょう。

また、銀行担当者の方のお話では、『一般事業者への緊急融資で一時的な資金繰りは改善されているが、今後、そこから売上等が改善されるかどうかが肝で、資金繰りが改善されなければ、景気の第2波として倒産も出て来ると思われる。』ということを言っておりました。
経済活動をしている人であれば、直観的に、コロナショックで、『不動産融資や建設業は、そうなっていくだろうな。』と、当たり前に感じることでは有りますが、銀行が不動産への融資を閉めれば、着工数は減ってきます。

一方で、地価は、土地所有者が緊急融資のおかげで資金繰りに今現在は窮するという状況にはなく、土地の現金化のための投げ売りにはなっておらず、さほど下がってはいないという現状ですから、土地の買主側からすれば、地価が下がって利回りや、販売利益率が改善するという状態に無く、分譲ディベロッパ―などは、行くも激しく、社員を養うためには、売上を作らなければならないので、何も買わずに止まることもできないという状態になっている最中ところです。

全体的に買い手が付かなければ、地価が下がることにはなるのですが、売り方に直ぐに投げ売りをしなければらない状態が来ない限り、買い方と、それぞれの思惑が合致せずに、売買が成立しない膠着状態が続くと思われます。
膠着状態が続けば、暫くは売買数が激減し、建設業の着工数も低迷していく事になるでしょう。

建築費指数は、今年の初旬から、若干下落をしていましたが、最新のデータを見る限り、僅かに上昇に転じております。

0.1%でも上昇した理由は、建材系は値上がりし、一方で、職人さんの単価は微々足りものですが、下がっている傾向のようです。
建材系は、メーカーの合併などにより、独占化が進み売上の減少を価格に転嫁している部分もあるのでしょう。
最近は、特にガラスが値上がりしているように感じます。国内首位のAGC(旧旭硝子)と3位のセントラル硝子の合併ですね。
サッシ系でも、LIXILへの新日軽とトステムの経営統合などと同じような道順を辿っていくのかと思います。
要は、売る側のメーカーが合併して競争が無くなれば、買う側は選択肢が無くなり、価格は維持されるという理論ですが、消費者層からみると、余り好感は持てないですね。

需給バランスが揉み合っている状況では有りますが、リーマンショックで、職人が激減した教訓からリーマンショック直後のように建設費が暴落することは、考えにくいとは思ってはいましたが、今後の傾向は、世の景気と共に注視していきましょう。

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