賃貸併用住宅とマンション建設における土地活用

お住まいの土地を1戸建を、お持ちのオーナー様が、
土地活用を考えようとするとき、ほぼ、考えられるのが、
「賃貸併用住宅」です。

つまり、マンションを建設し、マンション内の1部にオーナー様もお住まいになりたいケースです。

賃貸併用住宅とマンション建設における土地活用

これまでの経験では、80㎡-120㎡ぐらいの部屋を世帯数に応じて幾部屋か自己使用分として、
確保し、余った部屋を貸すという形態です。

当然ながら、都心部など、賃料が取り易いエリアならば、収益性が高く、
賃貸併用住宅は建て易くなります。

また、規模が大きいマンションが建設可能な土地であれば、
例えば建築可能な専有面積が2000㎡あれば、
120㎡の部屋を1部屋、自己私用したとしても、
自己使用比率は120㎡/2000㎡=6%であり、
利回り上は軽微な影響しか与えませんが、
専有面積が、400㎡しか取れない、マンションに、
120㎡の自己使用の部屋をとれば、自己使用比率は30%に達し、
当然にして収支を逼迫していきます。

自己使用比率が30%に達する場合は、建設費を圧縮することに加えて、
ある程度の、賃料坪単価が取れるエリアでないと、利回りを出すことは厳しくなります。

表面利回り9%以下の場合、マンション建設をお勧めしません

㈱土地活用では、原則、地主様に対しては、余程良い立地で無い限り、
表面利回りで9%以下である場合、マンション建設をお勧めしていません。

理由は、こちらの『究極の土地活用とマンション建設費とデットクロス』の記事を
お読み頂ければと思いますが、
実際に、どれぐらいの規模のマンションで、どれくらいの自己使用比率で、
どれくらいの賃料坪単価のエリアであれば、賃貸併用住宅を建設して、
地主としての持続的安定経営が可能な9%以上の利回りを維持できるのか
幾つかのパターンでシュミレーションしてみたいと思います。

下記の、収支は、延床面積660㎡と比較的小規模な賃貸併用住宅で、
自己使用比率35%で
賃料坪単価を1.0万円から0.1万円刻みで、1.3万円まで入力した事業収支です。
図は、ワードプレスですと見ずらいので、図下のリンクをクリックして
PDFファイルをご覧になって頂ければと思います。

  ↑を細かく見たい方は己使用比率35%賃料坪1万円収支をクリック

↑を細かく見たい方は自己使用比率35%賃料坪1.1万円収支をクリック

↑を細かく見たい方は己使用比率35%賃料坪1.2万円収支をクリック

↑を細かく見たい方は己使用比率35%賃料坪1.3万円収支をクリック

上記を纏めると、自己使用比率が35%程度ある660㎡程度の小規模賃貸併用住宅(マンション)では、

  • 賃料坪単価1.3万円=表面利回り9.27%
  • 賃料坪単価1.2万円=表面利回り8.47%
  • 賃料坪単価1.1万円=表面利回り7.80%
  • 賃料坪単価1.0万円=表面利回り7.11%

となっており、賃料坪単価が1.3万円を超えるエリアでないと、
中々、長期安定賃貸経営という事業性を持たせるのが難しいことが理解できます。

長期安定経営に関しては、利回りとデットクロスの関係性を以前書いた記事の『4-14%利回りの長期キャッシュフローシュミレーションと建設費と土地活用での相続税対策』についても、併せてご一読頂ければと思います
(東京のあるエリアの固定資産税をベースにしているので路線価が低いエリアは賃料が安くても、同一表面利回りで有れば
シュミレーション収支は若干緩く成ります。)。

次に、法延床面積1730㎡程度の大規模な賃貸併用住宅で自己使用比率が、
6.388%の場合の短期収支を見て行きます。
今回は、図にしても、画質が悪いので、下記PDFのみ貼ります。

上記を纏めると、自己使用比率が6.388%程度ある
1730㎡程度の賃貸併用住宅(マンション)では、

  • 賃料坪単価1.3万円=表面利回り12.673%
  • 賃料坪単価1.2万円=表面利回り11.800%
  • 賃料坪単価1.1万円=表面利回り10.867%
  • 賃料坪単価1.0万円=表面利回り9.942%

となります。先ほどの35%を超える自己使用比率の賃貸併用住宅と、比較して、
利回り的に雲泥の差があることは、ご理解頂けると思います。

自己使用比率が高すぎる建物は、賃貸経営が成り立ちにくい

この記事を通して、何が言いたいかというと、
賃貸併用住宅で比較的小規模な物件などで自己使用比率が高すぎる建物は、
賃貸経営そのものが成り立ちにくいということです。

もちろん、賃貸経営上の利回りを改善するには、
CM方式
で、建設費を下げておくことが大前提ではありますが。

大体、賃貸併用住宅を建てると、オーナー邸は、超贅沢な造りになるので、
利回り的に、際どい水準の地主様は、いっそのこと、賃貸併用住宅建設は諦め、
オーナー住居に供する予定であった住戸面積を賃貸住宅として家賃回収用に充て、
自信は、近所のタワマン等ある程度のグレードで家賃もそこそこの
賃貸マンションに住む事をお勧めすることもございます。

一旦オーナ住居を創ると、かなり特殊な造りになって、将来的に返済が苦しくなっても
貸すのに苦心するような、部屋になってしまうことも多いですし。

賃貸併用住宅を建設しようとしているオーナー様は、ローンがソコソコ、家賃から回収できれば良いなどと、
甘く考えるとドツボに嵌りますので、良く研究してからの建設をして頂けたら幸いです。

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