
前回ご紹介した、こちら『プロ以上の新築RC造不動産投資の極意①㈱土地活用ノート』の記事で、新築不動産投資の極意の最初としてCM方式の意義や1種について書いてきました。
おさらいとして、「1種=土地の坪単価÷使用できる容積率」です。
新築マンション建設の利回り向上には、下記の理解が必要です
- 新築利回り=賃料収入÷総事業原価
- 総事業原価=土地原価+建設原価
利回りを改善するには、当たり前のことですが、総事業原価を下げる必要があります。
つまり、利回り改善に具体的にするべきことは、
- 建設原価を下げる
- 土地原価を下げる
- 家賃収入を上げる
です。
既に、土地を持っているような地主様には、②の土地原価を下げることは必要のないことでありますが、①と③を疎かにしてしまい、高すぎる建設費で発注してしまったために、土地購入者と同様の利回りしかパフォーマンスを発揮できない事例もよく目にするため、㈱土地活用のHPページを隅から隅まで読んで、業者の養分にならない防衛のための知識レベルを高めていただきたいと思います。
さて、②の土地原価を下げるには、目利きのノウハウと、自身でもある程度は利回り計算により判別できる計算方法を理解すべきです。
それでは、事例として、研究していきましょう。
下記の表の見方としては、4つの敷地で①134.28平米、②185.88平米、③237.48平米、④340.68平米で、それぞれ36.55平米の1LDKが、1フロアーで①2戸、②3戸、③、④戸取れた場合の、階数ごとの予測建設費を先に計算しています。
例えば、237平米で10階建てが建てられる敷地条件の場合、延床面積で、1725平米となり、4億0310万円が税別建設費の予測金額で、その法延床(中廊下計画)の坪単価は77.2万円という意味合いです。(坪単価に対しての理解は、こちらの『RC造のマンション建設費、坪単価の実例リスト㈱土地活用トラックレコード公開』記事でお願いします。)
敷地①1フロア2戸
敷地②1フロア3戸
敷地③=1フロア4戸
敷地④=1フロア6戸
それでは、各プランの地価毎の収支を組んで利回りを算出してみましょう。租税公課については大体とします。膨大な数になりますが、お付き合いよろしくお願いします(笑)
まず、賃料坪単価1.1万円エリアで1種40万円程度の利回りを規模によって書いています。
賃料坪1.1万円のエリアで敷地が狭い場合、1種40ぐらいが土地を購入しての新築不動産投資の目途です。こういうエリアで134平米程度と敷地が狭いのに1種80とかで平気で売り出していますが、検討しても正直時間の無駄です。
また、水色部分の土地の坪単価が高くなっても、高容積で上階に積んでいければ、1種単価は一定であり、利回りはスケールメリットにより改善されることを理解していただいた方が良いです。
『賃料坪単価1.1万円で、1種40なんて、そんな土地、なかなかないよ!』と思われている方も、いらっしゃるかと思います。
そこで、多くの人が全く理解していない、利回りを出す極意として高賃料エリアでの検討であれば、どうなるのか?検討していきましょう。建設費や原価系の費用は、
土地の坪単価及び、1種単価が120を超えていても、1.7万円の賃料坪単価が取れるエリア(港区や中目黒等超高賃料エリア)では、利回りは7.5%程度は維持できるのです。
私は、低賃料エリアで、新築不動産投資を狙うより、高賃料エリアで土地を探した方が、紛れも多く、利回りは出やすいと思っています。売却するときも高く売れるので、粗利も抜きやすいです。その分総事業費はあがりますので、このエリアに打って出れる方は少ないかもしれませんが。
1.7万円坪単価が取れる超高級エリアで、中々事業用地を探すのが難しいのであれば、1.5万円坪単価の賃料坪単価が取れるエリアでは、1種どれぐらいまでなら、狙えるのか?収支を弾いてみましょう。
となります。
坪1.5万円賃料坪単価を取れるエリアの、130平米ぐらいの8階ぐらいまで積めそうな敷地(容積率400%以上)の1種の目線は、大体100ぐらいでれば検討の余地はありそうです。
今の時世で、用地仕入れの目線として、少し厳しめではあるかもしれませんが、どんなにCM方式で、建設費を安くしたところで、土地を高買いをしていたら、利回りが出るわけもないので、吟味する必要があります。
賃料が高いエリアでは、1種が高くてもある程度の利回りは、維持されやすいということが、ご理解いただけたでしょうか?
ここまで、敷地面積134平米と比較的小さめな敷地で収支を弾いてきましたが、大きい土地を購入して投資した場合どうなるのか、見ていきましょう。
先に1番大きい敷地④340.68平米の収支を出します。
- 敷地④5階1.1万円賃料坪単価 1種62.05 表面利回り7.50%
- 敷地④8階1.1万円賃料坪単価 1種74.66 表面利回り7.50%
- 敷地④10階1.1万円賃料坪単価 1種77.64 表面利回り7.50%
- 敷地④12階1.1万円賃料坪単価 1種79.59 表面利回り7.50%
規模が大きくなれば、賃料坪単価1.1万円のエリアでもスケールメリットにより1種の金額が上がっても7.5%程度の利回りが確保しやすくなるということは、ご理解できたでしょうか?
次に、敷地④の賃料坪単価1.7万円の超高級賃貸エリアで、検証していきましょう。
- 敷地④5階1.7万円賃料坪単価 1種155.63 表面利回り7.50%
- 敷地④8階1.7万円賃料坪単価 1種168.99 表面利回り7.50%
- 敷地④10階1.7万円賃料坪単価 1種172.26 表面利回り7.50%
- 敷地④12階1.7万円賃料坪単価 1種174.27 表面利回り7.50%
このように、1種と賃料坪単価、建設費のスケールメリットと利回りが動いていくことがご理解できたでしょうか?
土地の目利きをする際に、当記事を熟読していただければ嬉しいです。
尚、このような概算見積(CM方式により、どこよりも安いと思われる)や、事業収支の作成、及び、ボリュームチェックサービスは、土地を既にお持ちの地主様でも、土地を購入している方に対しても、無料サービスで行っておりますので、お気軽にお問い合わせいただければ嬉しいです(首都圏のみでのサービスとなります)。
なお、土地情報をメール頂いてからの流れは、こちらのQA3をご参照ください。