出来高払いと工事代金支払時期 土地活用の豆知識㉖

建設費コストダウンの株式会社土地活用
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建設工事代金の支払方法、支払時期には、幾つかのやり方が有ります。

土地活用の豆知識として、各支払方法について、建設業会の裏の裏話しも含めて解説していきます。
①3-3-4(サンサンヨン)
②出来高払い
③10-10-80(テンテンパー)
④10-90(テンキュー)
⑤0-100 3カ月個別決済(ゼロヒャク、個別決済)

などです。
【①3-3-4の支払条件】
①の3-3-4が地主さんなどが事業主の場合、最も一般的な支払方法です。
簡単に言うと、着工時に30%、上棟(最上階のコンクリート打設完了)時に30%、竣工時に40%という支払方法です。

一般事業主の場合は、9割以上は、この支払方法を取っていると思います。

この支払方法の一番のネックは、着工時に30%支払わなくてはいけないので、工事進捗状況に対して、暫くの間、事業主は、過払いが続きます。一方で、施工会社にとっては、上棟から暫くの間、工事費の立て替えが必要となります。

つまり、どういうことが起こるかというと、事業主が、着工時に仮に税込3億円の工事代金に対して30%の9000万円を支払ったとします。
最悪のケースを想定すると、着工から9000万円を支払うまでの間に、ゼネコンが倒産すると、ほぼ丸損します。
しかし、事業主は銀行から融資を受けて9000万円払って着工しているので、そのローン返済に対する債務は免れることが出来ません。
溶けて無くなるということです。

実際に、ゼネコンが倒産するときは、自転車操業で、下請けへの工事代金を支払っていますので、前に工事した物件の支払いを、別の物件の事業主からの着手金の9000万円を使って支払っている感じになっていきます。

当社は、帝国データバンクで与信調査(調査書取得から担当者への個別調査)を入念に行っておりますし、評点50点以下は、事業主の紹介のゼネコンであっても見積に参加させないので、工事中に倒産することは、まずないですが、過去には、倒産に巻き込まれたオーナーからや、メガバンク融資担当者からもゼネコン倒産に対する処理と工事再開を相談をお願いされたことは有ります。

その工事代金を聞いたら、そんな工事代金で出来るわけがないような金額で苦し紛れに請けている内容で、忙しいの、メンドクサイのもあり、当社は、出来なくもないけど、ご対応をお断りしましたが、この3-3-4の支払条件で着手金を払った直後に倒産されると、多くの場合、一般事業主は、破産するしかなくなってしまいます。別の会社で工事を引き継ごうにも、残りの70%の工事代金では全然足りないので、工事再開が困難になる一方で、最初に払った30%の工事代金は溶けて無くなり、返ってこず、融資残高のみが残りますからね。
銀行が見捨てずに、追加の融資をしてくれれば良いですけど。

また、事業主様のところに営業に行ったゼネコンを事業主様から紹介され、帝国データバンクで調査した結果、経営状況が怪しかったため、CM方式で見積参加を断ったら、着工してしばらくしてから、倒産のニュースをネットで見て、判断が正しかったと胸を撫でおろしたことがあります。当社も感覚としては、優秀な下請専門工事会社をゼネコンに貸し出して工事をしている感じなので、ゼネコンが倒産されるとどうにもならなくなり、ゼネコン選定には極めて慎重に行います。
尚、当社では、ゼネコン決定に関する与信に関するアドバイスはしますが、最終判断は、事業主様にお願いしてあります。

一方で健全な会社なら良いかと言われれば、当社は、そういう話を聞いているし責任も取れないので、原則、後に説明する過払いの無くリスクが低い出来高払いを事業主様には勧めています。

ゼネコン側としてのリスクは、竣工間際に40%の工事代金を受け取らずに立て替えをして工事をしているので、最悪の場合、事業主に何かあったり、いちゃもんを付けられたりで、取りっぱぐれがあるというリスクが有ります。

以前、当社で、お客として相談を受けた、ある事業法人の代表者が、人間性に問題があると私は感じ、CM方式で安く建設することを、お断りした物件で、床に1ミリ程度の不陸があると、いちゃもんをつけ、最終工事代金40%⁻1億円近くをを支払わずに、強引に引渡しをさせ、最終的に裁判になったという話を、たまたま電話がかかってきて何となく受注したゼネコンの担当者に聞いたことがあります。
たまたま当社に営業に来てたので、『あの物件受けてましたよねー』という話をしたら、不満が爆発していました。
マンション建設で、1㎜程度の床の不陸なんて、どこのスーパーゼネコン、ディベロッパーの物件でもありますから、そんなことを理由に大型の不払いして、裁判されたところで勝てるわけないのに、厄介な事業主ですね。

当社が何か損害を受けたわけではないですが、これから建設を検討する、全ての建築主に伝えたいことは、建設業界が汗水たらして一生懸命に、やった仕事に対し、ゼネコンに理不尽なクレームをつけて不払いするような人は客ではない、建設業界の敵と僕は思っています。
当然にして、社会的な制裁を受けるべきだと思います。
このゼネコン側のリスクに対しても、コントロールしやすい下記の出来高払いを勧めております。

そして、『CM方式は、建設業会に対して敬意を払ってくれる人間的にも素敵な事業主様だけに使いたい。』
と宣言させていただきます。

【②出来高払いの支払条件】
それでは出来高払いを説明してきます。この形態での請負契約は、民間工事では全体の10%にも満たないと思います。
簡単に説明すると、出来高払いは、事が終わった分だけ支払っていくという方法でローリスクです。

例えば、1月末日までに工事が終わった分をゼネコンに出来高算定表というのを作成してもらい、その請求書を2月頭に受け取り、2月末日の支払日までに支払いを完了する。これを着工から竣工まで毎月繰り返すのが出来高払いです。

本来であれば、毎月繰り返すのがベストですが、金融機関側が慣れていなかったり、めんどくさがる場合もあります。
金融機関での扱いは、大体3-3-4ベースで、事業主の口座に融資金額の入金を行い、その口座残高が尽きるまで、出来高でゼネコンからの請求書を銀行に提出の上、支払手続きを行い、口座残高に不足が生じる前に、次の大型の金額を事業主口座に入金するという手法をとります。
例えば、2億円の工事代金の場合、30%の6000万円をまず、事業主の口座に振り込み、毎月の支払を行い、工事出来高が5500万円ぐらいまで達して、翌月のゼネコンの支払い代金には足りないというタイミングで、次の6000万円を銀行から事業主の口座に振込、翌月以降のゼネコンへの支払いを継続させる手法を取ります。

事業主にとっては、過払いリスクは極めて少ないのと、ゼネコンも竣工間際の最終工事代金の立て替えが少なくなるので、相互に有益な、この支払方法をお勧めしています。

ネックなのは、金融機関の慣れですね。
毎月例えば11カ月を11回支払をするのは手間になるからダメとか言い出す金融機関(金融機関のリスクも提言しているのですが)もいるので、どうしてもだめな場合は6回の2か月毎の出来高払いにしてもらうとか、ケースバイケースで、ゼネコンにも了承をとりながら、進めていく場合もあります。

3-3-4の支払条件の時にも説明しましたが、建設会社の与信審査は当社は、厳格にやってはいますが、社員旅行で全員が事故に巻き込まれるなど、最悪中の最悪のリスクにも対処できるので、出来高払いで原則で行っております。

【③⁻⑤の支払条件】
③から⑤は、マンションディベロッパーの支払条件ですね。一般の地主様や大家様には、あまり関係がないです。

これは、建前上は、ディベロッパーの信用によっておこなわれていますが、そもそもの原因は、ディベロッパーのマンション開発には、プロジェクト融資で、2-3年の返済期間を短く区切り、担保価値のある土地代+僅かしか金融機関は貸してくれません。

そのためディベロッパーは、土地を購入する代金は融資で借りれたとして、工事代金の大半は融資が基本的には受けれないのです。
それをゼネコンに押し付けるのが③⁻⑤の支払条件です。

10-10-80(テンテンパー)とは、着工時10%、上棟時10%、竣工時80%の支払条件です。
10-90(テンキュー)とは、着工時10%、上棟時0%、竣工時90%の支払条件です。
ゼネコンは、工事期間中に下請専門工事会社に支払を行わなくてはならないので、未払い分の工事代金の大半を金融機関から短期借入を行うなどして、賄います。

実際、工事代金の80%近くをゼネコンが立て替えて工事をしているので土地はディベロッパーが持っていますが、実際のところ、ゼネコンの体力で建設してあげているようなものです。

多くのゼネコンは、内心は嫌がりますが、ディベロッパーの物件は大きいのと、担当者や社長、役員を接待して、飲ませて、最後キャバクラでも連れて上っ面で仲良くなっていけば、継続的な受注が楽にでき、売り上げを見込みやすいのでディベロッパーには、ヘコヘコしていたります。

中には、リーマンショックや昭和バブルの時に、ディベロッパーがバンバン倒産していき、巻き込まれる形で、ゼネコンが連鎖倒産する姿を覚えている会社で、このような支払条件を嫌う経営者も沢山いるので、嫌う会社は請けないですね。
一方で、売り上げを作りたいがために、与信調査などは入念にしているのでしょうけど、ハイリスクな支払条件での受注に積極的なゼネコンもいることは事実です。

地主様や一般事業法人には、あまり関係ないと言いましたが、景気が傾くと、ハイリスクな支払条件で、請けている比率が高いゼネコンは、ディベロッパーが倒産すれば、大きいと思われているところも簡単に飛びます。
どう考えても、1件10億の工事代金で8億支払われないと、それが何物件かあると厳しいですよね。

当社でも、このような理不尽な支払条件は嫌うので、例え事業主様が不動産会社やディベロッパーであっても、支払条件は出来高払いベースでお願いしています。逆に言えば、出来高ベースで支払が可能ということは健全な経営が為されている不動産会社と言えます。
また、リスクコントロールの一環として、原則、理不尽な支払条件でもディベロッパーの仕事を請けていない、そういう受注を嫌い、公共事業や、一般事業法人、地主様からの安定した支払条件での受注を是とするゼネコンとお付き合いをしています。

支払条件の裏話は、如何でしたでしょうか?
事業主様は、こういうことも知識として知っておくべきだと思い、敢えて書きました。

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