年間、14,750平米のマンション新築の建設マネジメントを行う中で、概算見積、事業収支作成、投資判断、プランニング、CM方式による本見積、工事中のマネジメント、膨大な調整など、様々な業務がありまして、猛烈に忙しい日々を過ごしますが、その中で、私が、こっそりと愉しみにしている業務があります。
それは物件案内です。
賃貸の入居者や物件を販売するための案内では無く、当社でCM方式によりマネジメントをさせて頂いた完成物件を、当社のCM方式に、ご興味を持たれた、計画中の、お客様に対してジープで、ご案内しています。
仕事やプライベートを含めて日々、様々な場所を走り回ってはいますが、時間的な都合から過去にやった物件に立ち寄ることは中々ないですが、物件案内の時ばかりは、じっくりと時間を取って過去にやって来た物件をお客様と一緒に巡って様々なお話をします。
道中、様々な事が、想いを巡らします。
『あの日、あの時、ここで何をしていたんだなー』
『この喫茶店で時間潰してたな〜』
『あのお客さん元気かな〜』
『あの頃は、こんな事が大変で悩んでいたんだよな〜』
などなど。走馬灯のように。
けして時間的には戻ることの無い数年前の自分に返るような。
しっかりと歩んで来た道のりを確認するような。
近づいて来るとドキドキするんです。
母校や昔住んでいた街に帰る、あの感じとでも言いましょうか。
現地に行くと、カーテンが掛かっていたり、電気が付いていたり、中から住人が出て来たりすると、『おお〜!あの何もなかったあの場所に、ビルだったあの場所に人が住んでるー!』と、建築関係者なので当たり前の事ではあるのですが妙に嬉しくなったり。
その中で、私の心に残る物件案内のお話をさせて頂きます。
2016年1月。その物件案内の日は、事業を始めてから中々軌道に乗らない時も、いつも私を応援してくれていた大好きな父の命日でした。
父は、私がCM方式で、独立という無謀な挑戦を始めても、いつも、『お前なら出来る』と励ましてくれて、以前書いていたブログを毎日チェックしていて、私が更新して漢字が間違えていると、『健治!漢字を間違えてるぞ!』と電話で、指摘して応援してくれたり、本当に、心の支えになっていました。
物件案内の、前日、心臓を患い長い事、入院をしていた父を見舞いに、長野の病室まで行き、『どうしても、明日は、今後を左右する重要な物件のお客様を案内するから今から東京に帰らないといけない。元気になったら僕が、やってきた物件を全部見せてあげるよ。』と伝え、これから建てる予定の複数の物件のパースを見せると、嬉しそうに『おおー健治も凄いの建てるようになったな〜!行ってこい!』と言い物凄く喜んでくれました。その後、普段は我が儘など一切言わないのに、『家族でアイスクリームが食べたい!』と、何故か一歩も引かないので病室で家族4人でアイスクリームを食べてから、私は、東京行きの、あずさに乗って帰りました。
その翌日の未明。父は亡くなりました。
きっと父は自らの死期は悟って送り出していたのでしょう。
東京に帰宅し、寝ていると深夜に兄から連絡を受け、父の死を知りました。直ぐに長野に行きたい気持ちを抑え込み、『父が一番喜んでくれるのは、僕が、しっかりと、自分の脚で自分の人生を歩き続け成長する事だ。』と兄と話をし、夜が明けると、物件案内に向かいました。
その物件の受注で競っていたのは、私が昔勤めていた会社でした。
その会社は、私が29歳の終わりに、代表が『会社に必要なのは役員の7人だけ』と全社会議で吐いたことをきっかけに辞表を叩き付けた会社であり、その会社との直接対決で、様々な事がありすぎて絶対に負けることが出来ない戦いでした。
ご案内の際は、堂々と勝負して勝ちたかったので、お客様の、ご一家には、父が当日に亡くなった事は、一切、告げず、そぶりすら見せずに朝から夕方まで、様々なお話をしながら物件を、ご案内差し上げました。
お客様を御見送りをし、駐車場に戻ると1人涙が溢れでてきました。
そのまま長野に行き、結果は解らずに父と対面しました。
数日後、葬儀に向かう途中、お客様から、ご連絡が有り、『越川さんに、お願いしたい』とのお言葉を頂き、勝負に勝つことが出来ました。きっと、父が、天国から勝たせてくれたのでしょう。
あれから数年が経ち、今、物件を案内する時に、その物件に、たまに行くと、その頃の思い出も含めて様々なことが蘇ってきます。
その物件案内の時の様子を後に、オーナー様が『未来企業』というTV番組で語ってくださいましたが、多分、鬼気迫るものがあったんだろうなと思います。
あの時、勝負に行って勝たなければ、この物件は、この世に存在していなかったのだと思うと、何か感慨深いものがありますよね。
㈱土地活用のHPのトップに、その物件完成時の、この動画が掲載しているのは、そんな訳があるのです。
私にとって全ての物件に、時々の、様々なドラマが有ります。
お客様には言わないことも、今だから言えることも笑 勝つ悦びも、時々のプライベートを含めた苦悩も、建つ悦びも。
そのドラマの先に、物件がしっかりと建ち、僕の知らない入居者が、生活をし、様々なドラマを繰り広げる。
その姿を何も語らずに遠巻きに眺める。
そして、CM方式に興味を持ってくださった方に、私の歩んで来た道のり、生き様の、一部を見て頂き、未来に繋げる。
今、見積をさせて頂いている、2,867㎡のマンションのお客様をこの物件を含めてご案内差し上げて、受注させていただきました。
私にとって、こんなに嬉しく愉しい仕事は無いです。
当社で、マンションを建築されたいと思われる場合は、是非、物件を見て頂ければ有難いです。
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当社のCM方式に、ご興味がございましたら、03-6441-2878か、お問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。
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