今回は、土地活用検討の初っ端にあるボリュームチェックについて書きます。
これまでも、業界人としては当然の用語として各記事に書いてきましたが、一般の方々には説明が必要かと感じています。
目次
ボリュームチェックとは
まずボリュームチェックとは、「法的条件をクリアして敷地に、どれ位の建物が建てられるか?」ということを設計事務所が検討します。
法的条件とは、建築基準法では、用途地域や、容積率、道路幅などに応じて、道路斜線、日影規制、採光制限、避難経路、高度斜線など、東京都安全条例では窓先空地、避難経路の距離など、各区のワンルーム条例など、全てが成立して、その敷地に、どれぐらいの建物が建築できるかを検討します。
不動産業者など開発のプロでもある程度どれぐらいの建物が建築できるかはイメージは出来ますが、詳細検討は設計事務所、又はゼネコンに任せます。
様々な法規や条例をクリアした結果、何㎡の部屋が、幾つ取れて、容積率が何%消化できるかなどが解るようにすることをイメージください。
例として、下記のような図面が、ボリュームチェック図として出てきます。
㈱土地活用では、まず面積表が有り、各階の単線の図面をボリュームチェック図面としています。間取りは、原則入れません。
ボリュームチェックは、何に使うの?
ボリュームチェックは、事業計画の根幹ですが、何に使うかといえば、概算見積及び事業収支作成のために作ります。
プロの開発業者、ディベロッパーは、事業収支を組まずに、読み込まずに事業化を決定することは99.9%有りません。(0.1%は社長が飲んだ勢いなどで買うと言って引けなくなった等はあるかも知れませんが。)
不動産投資家さんも自分で事業収支を組むかは別として、事業収支を読み解こうとします。
どういう訳か、多くの土地活用系の営業施工会社でマンション建設をするような地主さんは、事業収支を読み解こうということはしませんがそれは、当社の様々な記事を読んで学んでいただければと思います。
当社では、下記のようなボリュームチェック図面から、概算見積を行い、短期の事業収支をまず作成します。
ボリュームチェックに掛かる期間は?
ボリュームチェックに必要な期間は、当社の場合、商業地域で道路幅が広いなど簡単な物件で実働2日程度、設計事務所の混み具合や、難易度によって、1週間程度かかります。
ボリュームチェックに掛かる費用は?
当社の場合、原則無料でボリュームチェックをパートナー設計事務所を紹介しやらせていただいております。無料で、やらせていただく理由は、営業活動の一環です。
多くの設計事務所が本来であれば、有料でボリュームチェックをやりたいと考えています。猛烈な勉強をした知識や、苦渋を舐めながらも培った経験をフル活用して行うノウハウを本来であれば、無料で提供するべきではないと思っていますし、実際にそうしている設計事務所もあります。
大手のディベロッパー等から頻繁にボリュームチェックが打診される会社では優良でボリュームチェックをしてる会社もあるようです。
しかし、多くの企業が、無料で提案している以上、建築の初期情報をキャッチするためには、無料でやらせていただくしか有りません。受注しなければ生活も企業経営も出来ませんからね。
一方で、無料でやっているからには、物件が融資が通らなかったり、他者に物件を取られてしまったり、立ち退きが上手くいかなかったり、親の反対があって建築しなくなったように、都合が悪くなった時に、連絡が取れなくなるのは、声を大にして止めていただきたいとこの記事を通して伝えます。
95%の依頼者は、良識と社会人マナーがある方です。
上手くいかなかったら、上手くいかなかったと、結果だけ伝えてくれさえすれば気が済むんですから。当社も暇ではないので、頻繁に連絡することはしません。融資を打診すると言った後、1か月くらいして反応が無かったら、その後どうなりました?立退きを掛けると言って、3カ月ぐらい反応が無かったら、その後電話か、メールで状況を聞くだけです。
自らも仕事をしているのであれば、社会人の最低限のマナーとして結果は必ず教えて下さい。
「今後、余りにも酷い場合は、20万円を請求させていただきます。」
真面目に真摯に、一生懸命に対応している人間が馬鹿を見る世の中ではいけないと思います。
全ての物件に対して、無料でボリュームチェックしてくれるの?
当社では無料でボリュームチェックをやるからには、事業化の可能性があるかは判断します。
大半の企業がそうしていると思います。何でも、かんでも無料でやっていたら、設計事務所や設計担当者もタダ働きが嵩み、身体も経営も持ちません。そして、本来、急ぎで大至急ボリュームチェックを入れなければならない事業化の可能性が高い案件が入ってきたときの時間や体力を奪ってしまいます。
まずエリアと面積で区切ります。
延床面積が当社がCM契約を受諾する基準である500㎡に届く可能性があるか。
です。当社では受注しない規模の200㎡のマンションしか建たない場合、そのプランを入れることは残念ながら出来ません。
例えば、栃木県のボリュームを入れて欲しいと言われても対応できません。
当社のCM方式は、首都圏しか対応できません。
理由は、優良な専門工事会社の取引が首都圏の業者さんしかないので、栃木県で、建設費を相場より下げることはできません。
延床面積500㎡に関しては何度も、当社のCM方式で建設していただき、どうしても今回もお願いしたいと言われたら、信頼関係も出来ていますし、一緒に建築していても愉しいので、その規模に満たない3-400㎡でもあれば、CM方式での受託を考えることもありますが、それも、私のその時の判断次第です。
次に、不動産業者さんや投資家さんが土地を買う場合は利回りが、希望される利回りに届く可能性があるか?です。
地主さんの場合は、8.5%以上の利回りが出るか?です。
例えば、土地を購入を考えている方が、8.0%の表面利回りを希望していて、地価や建設費、エリア賃料を考えたら、どう考えても6.0%しか利回りが出ない土地情報に対してボリュームチェックは入れられません。
手間と能力と時間をかけてボリュームを入れる時間が無駄ですよね。
その場合、電卓か、エクセルで簡単に数字を弾いたうえで、6.0%しか利回りが出ないのであれば、その程度の利回りしか出ませんとメール又は、電話でお伝えするだけで、その物件に対する業務を終了させていただきす。(当社で6.0%しか出ないなら他社でやれば5.0-5.5%程度しか出ないことを意味します。)
建設事業主が将来的に破綻が目に見えていても、自社の利益のために、無理やり買わせる、建てさせるような、小賢しい真似はしませんし、『買うべきではない物件に対しては、買うべきではない』と『建てるべきでは無いマンションに対しては建てるべきではない』と、真摯にアドバイスをしていると受け止めて頂ければ嬉しいです。
一般的な、ボリュームチェックの考え方、当社の考え方を理解頂ければ幸いです。
これらの他愛もないマナーを事を理解頂ける方は、お気軽に、03-6441-2878か、問い合わせフォームからご相談頂ければ嬉しいです。
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