
4/20現在、新型コロナウィルスで日本は元より、世界的に甚大な影響が出ています。
建設業においても、スーパーゼネコンクラスが、相次いで5月6日までの工事現場の休業を発表しております。
目次
コロナによる建設業・マンション建設費の影響と近未来
発端は、清水建設の現場監督が、亡くなられた事ですが、建設業は、数人程度の小規模な親方と弟子の関係から統合されていく2~5次下請制度の集合体ですので、仕事が無くなると、生活が苦しくなる職人さんもおり、苦渋の決断だと思います。
相次いで、発表されたのが、先週の中頃ですので、GWを挟んで5月6日までであれば、実質7-8日程度の休業となるので、職人さんの家族が食べるものに困るまでには至らないかもしれませんが、もう一か月緊急事態宣言が延長されるようなことになれば、生活そのものが成り立たなくなってくる職人さんも多く発生することでしょう。
4/20現在では、スーパーゼネコンや準大手クラスの一部が工事中断を発表していますが、都内の多くの工事現場を見る限り、通常通りに動いております。当社で工事中の現場は、ゼネコンの方針に従いますが、今のところ通常通りに動いております(批判が有ろうが様々な立場の方々が集合している建設業では簡単に休業には出来ないのです。)。
現場監督に話を聞くと、『自主的に休んでいる職人さんが若干いるが、大概の職人さんは嫌でしょうけど生活のために、出てきてくれている。』とのことです。職人さんも身体が資本の大半が個人事業主ですから、各自の判断で、生活と収入のバランスを考えて判断するべきです。取引先の専門工事会社には、休みたい職人さんに休んだからと言って後で報復するような事はしないように伝えております。
そして、今のところ、職人さんが足りなくなって工期が遅れる(以前の記事で住宅設備が入らなくなって工期が遅れるという話は、当社現場以外では発生していることは聞いております。)といった話は聞いていませんが、仮に、現場監督や下請専門工事会社が一生懸命に集めて、職人さんが生活のためとはいえ、現場に出てきてくれて工事を進めて下さったうえで、病む負えず工期に延長が発生した場合は、事業主は、それを承認するべきだと僕は考えます。
事業主が、施工会社に、お金を払ったから偉いとかではなく、単にお金を払っているから建設してもらっているだけで、『社会の一員として、どうあるべきか?』、『人間として、どう正しく生きるべきか?』を考えなくてはいけません。
今、コロナウイルスで身体的に苦しんでいる人も、日夜、感染リスクと戦っている医療関係者の方々、日本のために頑張っている行政の方々、飲食業や小売業で苦しんでいる方々、バイトが激減して食べるものに困っている学生さんやフリーターの方々。
全て誰かが悪いわけではないんです。強いて言えば中国とWHOは悪いですけど。
理不尽の中で、緊急事態宣言が出る中で、一生懸命にやったことに対して、仮に契約上の、工期が疫病によって遅れるのであれば、その遅延責任を施工会社に負わせることは、人として間違っています(実際裁判しても、このコロナの影響による遅延損害金は天災と同等の認められないでしょう)。
しかし、経済をいつまでもロックしていく訳にはいきません
しかし、経済をいつまでも現在のように、ロックしていく訳にはいきません。少し先に日本でも巻き起こる議論として出口戦略があります。コロナウイルスが撲滅することは無いという前提で物事を考えなくてはいけなくなるでしょう。
既に、ブラジルでは、「国民7割新型コロナ感染、どうしようもない」ブラジル大統領、経済再開呼び掛けというようなニュースが出ており、貧富の差の激しい国柄のせいか、経済と治安の安定のために通常の社会活動に戻すように呼びかけが大統領から開始されています。また、ニューヨークでは、NY州で大規模抗体検査 あすから調査開始というニュースも出ており、社会的免疫抗体がどれぐらいの人が既に持っているのかのサンプル調査が始まるというニュースが出ております。何も症状が出なかったが感染して抗体が出来ている人がどれだけ出ているのかというサンプル調査を行い、出口のタイミングを模索するという流れですね。
今後、半月ほどで、世界中で、出口戦略について議論が過熱し、自己責任の上で、経済活動を再開するという機運が高まってくると思います。またアビガンなどの投与の結果が既に出始めているようなので、それに対する検証などが進んでいくでしょう。
もう、じっと耐えているだけでは、どうにもなりません。
八方ふさがりの時は、上だけを見るしか有りません
八方ふさがりの時は、上だけを見るしか有りません。下を向いて、諦めたら、人生は奈落の底に落ちていくしかないのです。
僕は、11年前に、31歳でリーマンショックの直後に個人事業主から独立し、建設業で、数億のマンション建設のマネジメントの業務を開始しましたが、今よりずっと閉塞感に満ちた生活を独りぼっちで4年程度続けてきました。お陰で精神力は鍛えられました。
当時、どれぐらい八方塞がりだったかというと、、、
- お金がない
- 信用がない
- 実績がない
- 建設業では若すぎる
- 知名度が無い
- HPもブログも無い
- 馬鹿にされる
- CM方式そのものが誰も知らない
- 自分の事務所も無い
そんな中でも、最高の自分であるために、全ての瞬間を最強の建設マネージャーであると決めて生き、発する言葉や振る舞いを、どんなに空腹でも財布に全財産が数千円でも『最強の建設マネージャー』として行って、当時、知る限りの知識で思い描いていた素晴らしい自分にあと一歩のところまで辿り着くことが出来ているので、体感的に『蜘蛛の糸』ではないですけど、抜け道は、上だけに、たった一つしかなく、見えない糸を手繰り寄せるのは、自己の行動のみによって起こる結果だという事を知っています。
この試練をチャンスと捉え心から愉しめる人間性が必要です
通常の精神力では、とても持ちこたえられないでしょうけど、鍛錬するべきです。そのためには、試練をチャンスと捉え心から愉しめる人間性が必要です。
今回のコロナも『有る有るの成長するための試練の一つとして考え新たな自分を創造するための糧として考える』か、『コロナのせいで、俺の人生が台無しになった!コロナの馬鹿野郎!』とだけ思って、何も行動を起こさずに打ちのめされて負ける人生を歩むかの2択しか有りません。
僕達は、人生に打ち勝たなければなりません。それは決して誰かとの比較ではなくて、弱い自分に打ち勝つことです。
全ての出来事、理不尽を受け入れ、今のイケていない自分に打ち勝つことです。
身の回りに起こる全てを成長に糧に出来るか、これに対峙することをせずに夢や希望を捨て誰かのせいにして負けた生き方をするかです。
今の僕にとって、今は、まだ蓄えもあるし、世界的な問題により0.1方が塞がれそうな、少し嫌な空気感を感じているだけで、ずっと上を目指して生きる長い人生で起こる様々なクリアしていかなくてはいけない課題の一つが来て、今を未来から見た通過点としか考えていません。
少し余談になりますが、マラソンでゴールだと思って、42.195kmをゼエゼエ言って走って、『やった!ゴールだ!』と思ったら、100km先にゴールがあるよと言われて、そこに向かって、また爆走するのが、愉しい人生というものです。
建設業に起こりうる近未来について
相当に話が脱線しましたが、建設業に起こりうる近未来について話していきましょう。
まず、現状の建設費の状況を建築費指数から見ていきましょう。リーマンショック(2009年)の後の2011年を100とした数値がグラフ化されてますが、2012年のアベノミクスから2015年を最初のピークに上昇をし、国土強靭化による公共事業の増強への批判から2016年後半まで緩やかな下落に転じましたが、長い好景気やオリンピック需要、インバウンド需要などによって再び上昇に転じ2020年1月頃をピークに上昇を続けてきました。しかし、消費税増税による景気低迷を受け、若干の陰りが見えてきているのが現状です。
ここで注意しなければならないのは、建設費の動向は、世の中の景気動向から遅効性を持って影響が出て来るということです。
つまり、土地購入時や建設事業決定時が景気のまだ安定している時期に起こったもので、そこで建てることが決定した物件は、多少、世の景気が傾いても、半年から10カ月程度の詳細図面の設計や、確認申請業務、近隣説明業務、本見積を行った後に、世の中に物理的な着工として出て来るもので、直ぐには、施工業者にとっては景気低迷を実感しずらいので、まだ物件があると感じ、建設費が下がってくるのは遅効性が発生します。
景気動向調査(帝国データバンク)
それでは、建設費動向より、先行している景気動向を帝国データバンクの景気動向調査の最新版から見ていきましょう。
1ページ目の左側の景気DIに関して、2020年3月のDI下落の角度が、大変なことになっております。
2019年始めから景気の減速を開始し、10月での消費税増税で、減速が加速し、2020年のコロナ騒ぎで2-3月にストレートパンチが飛んできた。そんなところまでが、グラフに表れています。そして注意して認識しなければならないのが、この統計が纏められたのが、4月3日ということです。小池都知事が自粛要請を記者会見でしたのが、3月末で、政府の緊急事態宣言が出る数日前で終わっている統計で、この状態なのです。
いうなれば、4月の現状の経済ロックは、ストレートパンチを食らった後に、連打でボコボコにされているところです。来月頭に発表される景気DIに脅威を感じています。先日の記事で書いたように僕以上に経済産業省の役人や、安倍総理も脅威を感じているでしょう。
今のまま自粛を完遂だけしているようでは、国家、国民が経済的に破綻してしまう。日本国民全体の幸福を考えたうえで、欧米の何処の国とも違う対策をとり、なんとか甚大な死者を出さずに持ちこたえているのが、日本の状態だと思います。
この状態で、建設費が現在のように高水準で推移していくことは考えられません。
建築費指数
建築費指数で、何処迄下がるのかが、予測の対象になることでしょう。
私しては、2011年頃の建築費指数100の低水準価格帯までは下がることは有り得ず、まず事業用地の地価の暴落が一気に広がり、底値で拾おうとうする体力のある不動産業者、投資家が土地を買い、建設需要を支え、現在の125から117程度まで下がったところで、緩やかに上向きに反転してくことになると思います。
行き過ぎた2011年頃の水準にまでは下がらないという根拠は、ここ数年、建設業はリーマンショックの傷跡による職人不足に長いこと悩まされ続けてきたことです。そのため大手ゼネコンは、一定レベルの賃金が職人さんに行き渡るような単価は維持しようと、実際には、締結されない紳士協定のようなものが発生し、一定の単価は維持しようとするでしょう。
当社のCM方式での単価は、スーパーゼネコンが普段下請専門工事会社に発注している単価に同等で追従する形となりますので、スーパーゼネコンが有る程度で矛を収めればとは思っています(当社の建設費総額は、スーパーゼネコン単価でスーパーゼネコンの下請専門工事会社に払うのレベルの外注費(建設費の8割を占める)を固め、管理系費用を地場ゼネコンの金額で発注しているので相対的に、合理的な根拠で、他より安くなっています。)
2014⁻2017年は、アベノミクスの一旦の成功により、比較的、建設業は好景気を体感していた時期ですので、建築費指数の一番上のグラフのRCマンションの緑線の指数は、現在の125から117程度まで下がったところで、底打ちをし推移していくものと考えています。
また、余りに建設費相場が暴落しようものなら、自民党政権が確実に公共事業に補正予算を割いて支えて来るのは目に見えていますからね。民主党時代は、そこもブッタ斬ってしまったから長らくどうにもならない状態になり職人さんが沢山、建設業から足を洗ってしまいましたが、その教訓は活かされることでしょう。
本日のまとめ
コロナウイルス騒動で、建設業の取り巻く現状について統計を見ながら私見を書かせていただきましたが、如何でしたでしょうか?
不動産業者さんや、投資家さんで当記事を見ている方がいらっしゃいましたら、土地暴落を買い支えた(仕込んだ)上で、景気復興時に、勝つための知識を強化する一歩を踏み出すと思って、最強の土地活用&新築不動産投資セミナーをご視聴頂ければ嬉しいです。
(セミナーのスタートの統計分析に関しては、本記事で掲載されていない複数の指数に関しても、提示し説明していきます。)
ご不明点は03-6441-2878か、問い合わせフォームにお問い合わせください。