今回の記事では、㈱土地活用が、CM方式で建設費をコストダウンを行い、2017年に法延床坪82万円(杭・外構含む)で完成した台東区蔵前の11階建賃貸マンションを賃貸管理していただいている、ルームキューブ株式会社の榎本社長に物件を賃貸管理した感想を書いていただきました。
ルームキューブさんは、台東区では、相当に客付けや管理が強いと大家さん達からも評判の高い会社でしたので、当社のお客様の物件の管理を、お声掛けした経緯がありました。
榎本社長とは同世代で仲は良いですが、特に、提灯記事を書いて欲しいというお願いをせずに思ったままを不動産管理のプロフェッショナルの視点から書いていただきました。以下、榎本社長の文章です。
目次
マンション管理会社「ルームキューブ」様の声
1.㈱土地活用様より新築物件賃貸管理の、ご紹介を受けました。
㈱土地活用様の越川さんとは以前、同業者や不動産投資家さん、大家さんなどが集まる勉強会の後の、大衆居酒屋での懇親会で初めてお会いしました。
飲み放題で総勢 50 名ほどの方が長机のテーブルを挟んで互いの不動産投資について熱弁を奮う中、僕は飲み会といえばどちらかというと「無駄で意味のない会話」で、ワイワイとしているグループです。
そこで隣に座っていた知り合いの建設会社のT社長から、「うちは鉄骨や小規模造るの得意だけど、大きいのやRCの得意な社長いるから紹介するね。」と、ご紹介いただいたのが越川さんでした。
第一印象は生真面目な青年(笑)しかし、実は別の人からの繋がりがあったことでびっくり(笑)
そしてフェイスブックで繋がり何度か連絡を取り合っている内、越川さんより、
「台東区に新築物件を計画中のオーナー様がいらっしゃるんですが、台東区の賃貸管理が出来る不動産会社といえばルームキューブさんかなと思って。」
なんて嬉しいご連絡をいただき、募集や賃貸管理について相談をいただけたのが今回のプロジェクトに関わらせていただくことになったきっかけでした。
今回は、㈱土地活用様が手掛けられた蔵前にあります(弊社も1階にテナントとして入居している)新築マンションについての記事を書かせていただきます。
竣工から約3年、今では入居者の方と普通にお話したり、お困りごとのお手伝いをさせていただいたり、軒先で小さなイベントを開催してみたり、屋上で隅田川花火観覧会を開催したりと、とても楽しい管理会社ライフを送らせていただいております。
2.現場打ち合わせが楽しい!
プロジェクトの取り掛かりとして、月に一回程度、定例の現場打ち合わせにも顔を出させていただくことになりました。
蔵前の雑居ビルの中にあるゼネコンさんが借りた現場事務所での打ち合わせにも参加しました。
ここから㈱土地活用様の新築不動産投資の醍醐味を実感させていただくことになります。
2-1.仕様のこだわりが強い
巷に溢れている賃貸物件って、不動産仲介の立場から見ていると、
「ただ何となく建てちゃったんだなぁ。」
という物件がとても多く感じます。
予算だけを重視して、コストを抑えただけの物件って意外とバレてるんですよね。
当初は、㈱土地活用様の現場でも、
「幾らで抑えないといけないから、ここは妥協しておこう。」
正直、そういった打算的なものがあるんだろうなあ。という先入観がありました。
しかし、実際の打ち合わせの現場では、外壁材や床材、使用するポストや宅配ボックスなどの設備、共用部分の配置や空間、更には植栽や館銘板などの細部に至ったところまでを、建築会社と施主様を交えコストと費用対効果を加味しながらいろんな意見を交換しつつ綿密に練り上げていく。
打合せに参加させていただいている僕にも当然管理会社としての意見を求められるわけなので、色々好き勝手言わせてもらったりもしました。
そうして結果的に賃貸市場で打ち勝っていくための「質」を担保した物件が仕上がっていきました。
2-2.間取りの提案に柔軟
建築設計において図面を引き直すことって結構面倒なことだと思うんです。
お部屋の間取りもそうで、配置や間取りを少し変えるだけでも他の部分に干渉していき、更に言えば共用部にまで影響することもあります。
僕自身、リノベーションなども多く手掛けさせていただいているのですが、間取りに対して、とても、こだわりが強いんです。
住まれる方の使い勝手を高めることで、賃貸付けの際のセールスポイントになるだけではなく、退去を検討されたお客様の引き留めにも強い効果を発揮してくれます。
弊社で入居者の客付と賃貸管理をさせていただけるのであれば、より強い需要が生まれる物件になればと願いながら打ち合わせへ参加しました。
そこには、賃貸需要をしっかりと取り込むことを最重視し、間取りの微調整に余念がない打ち合わせがありました。
事前に調査してあった近隣競合物件と比較して、
・引き戸を増やし専有面積を有効活用する。
といったあたりが最初から予定されていることが、さすがだなと思いました。
そしてこういった競合物件との差別化はもちろん、他にも多くの意見が採用されていきます。
・収納をアレンジして、調理家電を置けるスペースを確保してほしい。
・もう少し収納を大きく取れないか。
・扉の開閉方向を変更できないか。
・玄関土間の形状を変更してほしい。
・ここに棚板を増やせないか。
着工前から工事中に至るまで、そうした試行錯誤の結果、何度かの図面修正、現場での微調整も加えつつ竣工に向けて現場の工事も進んでいくのでした。お互いにより良い賃貸物件を作り込んでいこうとすると結果は素晴らしくなりますね。
3.竣工前に全室契約完了
強いニーズが生まれる物件を作ることはもとより、不動産管理会社として一番重視していたミッションがこれでした。
今でこそ人気のエリアとなっている蔵前ですが、当時、いくつかの同様の新築物件のほとんどが、竣工しても結構な数の空室が残っているという状況でした。
「竣工時満室」
お客様の賃料を下げずに、このパワーワードに向けて管理会社としての色んな作戦を織り込んでいきました。
㈱土地活用さんのブログで、この辺をあまり書くのも少し趣旨が違うかなと思いますので簡単に箇条書きでご紹介させていただきます。
満室への戦略は「順序」と「効果」がとても重要です。
「いい物件だ」という事を客付け会社に認知させることと、その「イメージ」を他業者に植え付け、賃貸案内に本気で動いてもらうための「洗脳」ともいうべき自社広告。
2.工事の進捗に合わせた募集住戸の割り振り
物件の価値を切り売りすることによる需要喚起。
3.竣工に向けた入居者募集のラストスパート
竣工時に満室稼働する為の、お客様との細かな調整。
現地の完成内覧会で、お会いさせていただいた方には上記の内容をご説明させていただく機会がありましたが、より詳しく知りたいとおっしゃっていただける方は、
https://www.q-be.co.jp/blog_cat/blog002/
こちらを参照していただければ参考になる他物件での事例をご覧いただけます。
また、私、榎本まで03-5827-1321で直接ご連絡をいただければ、より詳しくお伝えさせていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
4.賃貸管理をさせていただいて
4-1.再募集賃料と募集スピード
そもそもの物件力は既に書かせていただきました通り、競合に打ち勝つに十分なほどです。それを把握した上での「竣工時満室」戦略と、同時に「再募集時の賃料値上げ」
も並行して進めておりました。
シングルタイプはいくら、1LDKタイプはいくら値上げするとそれぞれ目標を設定し、空室が出た際にはその通りの条件で再募集を開始しました。
それでも退去前に契約まで終了するという流れ。
更に、蔵前の街の価値自体も「下町のブルックリン」と呼ばれるほどに上がってきて、元々の物件の持っているポテンシャルと相まって、今では予定賃料以上に高い賃料で成約しています。
ここ最近、コロナ問題が発生する前まで、都内の物件の動きは早くなる傾向が続いていたのですが、その中でも更に早く、高値で成約していくといういい流れが構築されております。
4-2.管理の手間や物件の維持
竣工から3年ほどが経とうとしておりますが、設備の故障や共用部のトラブルなどもなく、住人の方からの苦情なども建物に起因するものは特に見受けられておりません。
というのも、竣工後のメンテナンスも考えて設計されているという部分が大きいと思います。使用する設備や部材に手を抜かなかったというところや、外装はタイルやサイディング材を適切に使用することで無駄にコスト掛けることを抑えつつ、劣化や汚損が出にくい物件に仕上がっていますね。
管理会社としてなんて言っていいのか分かりませんが・・・
とにかく手間のかからない物件で非常に助かっております!
5.㈱土地活用様が手掛ける不動投資の可能性
「建築費を抑える」という㈱土地活用様の事業の趣旨と、「適正賃料で、良質なお客様にお部屋を賃貸する」という弊社の趣旨は、非常に相性がいいものと考えております。
というのも、「いくらで売りたい」という不動産の価格や、「いくらで建築工事を受注したい」という建築費に見合うように設定された「見せかけの利回り」が設定された投資用物件が非常に多いのが現実です。
逆に、「いくらで貸せるといっても、そこまで市場とは乖離していないように見えるだろう。」賃料から逆算させた「見せかけ利回り」に応じて不動産の価格や建築費を設定しているんじゃないかとも言えますね。
つまり、建築会社と賃貸管理会社がグルのようなものです。不動産投資のセミナーでよくみかけるパターンです(笑)
そういったものと比べて今回ご紹介させていただいたケースにおいては、
・賃貸収入や賃貸管理に関するコスト(賃貸管理側)
それぞれが別々に独立をし、それぞれのプロフェッショナルな立場から、最善のご提案をしていくことで、それぞれの良い点だけがちゃんと結果となって表れてきます。
可能な限り建築コストを抑えながらも良質の物件を世に送り出すことを使命としている㈱土地活用様のようなCM会社と、賃貸管理コストを抑えながらも不動産投資において明確な戦略やビジョンを持って取り組む不動産管理会社とが上手にコラボ出来た時に、その互いに持つ力が最大化されるんじゃないかと感じています。
6.今後の展望
少子高齢化が進み、今までのような通常の賃貸需要が減ると言われ、高齢者や外国籍向け賃貸などを検討される投資家さんも多いと思います。
また直近で言えばコロナの影響で経済的ダメージを受けて所得が減った方や仕事を失ってしまった方に向けて、下火になったはずのシェアハウスや狭小ワンルームが形を変えた新たな貧困ビジネス的な不動産投資が始まるかもしれません。
そういった混迷が予測される不動産投資、賃貸市場においての勝ち組になるにはどうすればいいのか?
投資家さん自身が多くの勉強をし、知識や経験を身に着けていくことがもちろん大事です。
それと同時に大切にしなくてはいけない基本のことがあります。
- 出来るだけいい物件を
- 出来るだけ安い価格で手に入れ
- 良質な賃貸経営をしていく
ということです。
大手メーカーさんが手掛ける企画・シリーズものに高い建設費で飛びついてしまうのではなく、魅力的かつ他にはない物件をCM方式で手に入れ、その物件の地域特性や賃貸需要、中長期的戦略を総合的に判断し、賃貸経営を進めていけば、これからの不動産投資においても、負けてしまうことはないでしょう。
そして私たちは、建築主様の想いを汲み取り、三方良しの結果を求めて、ご提案、実現していくことが不動産会社の、そして不動産管理会社の使命として、今後も邁進していきたいと思います。
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以上、ここまでが、ルームキューブ榎本社長の文章でした。
最初に出会ったのは、かなり前のはずなので、何処で、どう出会ったか忘れていましたが、お互いに、改めて意識をし合わなくても、プロとして当然のように意見を出し合っていたのだなと感じました。建築主様のために、当たり前のことが当たり前に出来る関係は良いですね。
㈱土地活用は、基本的に賃貸経営上、良い意見は全て採用して、最高の戦闘力の状態で世に送り出そうとしていること、建設費の坪単価が圧倒的に安くても、しっかりと戦闘力を極限にまで上げた物件を世に送り出していることを、ご理解頂ければ嬉しいです。