土地活用で立退きが必要な時はどうする?土地活用の豆知識㉔

本日は、「土地活用と立退き」について。

土地活用をするとき、更地に建設するということは意外と少ないです。

自宅が建っている場合は、自分が引っ越せばよいのであるが、大体、アパートやら、ビル、少し小さめのマンションが建っていることが多い。東京で仕事をしている私の経験上では、半分ぐらいは立退きが必要なケースと感じます。

土地活用と立退き

立退きと言うとどういうイメージをされるか解りませんが、今どきは、お経を大音量で流したり、ブルトーザーで突っ込んだりとかそんなことをする業者は絶対にいません(笑)

今はコンプライアンスもうるさいですし、そんなことする業者の関わる危ない物件には融資など出るわけもないですから、話し合いでお金で解決です。

当社が直接立退き交渉をすることは無いですが、管理会社さんにお願いして打診してもらったり、住居系の立ち退きは、4カ月~6カ月分の賃料で大体出ます。10件いるうちの1件がゴネても少し色を付ければ大体出てくれます。

厄介なのは、飲食や、性格的に変な業者が入っているオフィスですね。飲食店は、そこに根付いて、近所のお客さんがある程度ついているので出たくないのは解らないでもないですが、お金にガメツイ人が多いの確かです。中々出てくれなくて、平行線に終わっていることも多いです。

立退きの際、最初にやることは「耐震診断」

手法としては、昭和56年以前建築の旧耐震の場合は、まず「耐震診断」を行います。

旧耐震の物件に耐震診断すれば、新耐震の基準では、まずNG判定が出ます。計算結果上は、旧耐震は、あれだけ新耐震基準で騒がれて取り壊した、姉歯マンションより、弱いという結果になります。そのことを入居者に伝えて、『耐震が姉歯マンションより弱く、オーナーとしても建替えなければならないから出て欲しい』と伝えます。

↓の最初の物件は、建物の接合部に東日本大震災で、亀裂が入ったので、簡単に出ててくれました。


確か、30テナントぐらい入るオフィスビルでしたが、立ち退きが始まる前に半分くらい出ていました。

建物の接合部に亀裂が入ると言っても、築年数と構造が違う二つの建物を増築でエクスパンジョンジョイント(病院や学校で増築した時に繋ぎに出ている金物のこととです)で繋いだだけで、繋いだ個所が割れただけなので、建築屋さんから、見れば、そりゃ割れるよなというところなのですが、一般の人から見ればビビりますよね。確かに古い建物ではありましたが。

次は、弁護士さんに依頼

こういう簡単に出てくれる物件には、そういう作戦が嵌ることもありますが、それでも出てくれなければ、弁護士さんにお願いですね。

弁護士さんにお願いしたとしても、日本は、入居者の権利が守られていますから、無理やり出すなんてことは、賃料滞納でもしばらくない限りできませんが、更新など、どこかのタイミングで、定期借家に契約を巻きなおすなど、しながら2年程度待って、じっくり、出すか、お金を積んで出て行ってもらうしかないです。

平行線のまま、どちらも引くに引けず、どちらも儲からないという不毛な結果になっている事も多々あります。

こればかりは、やってみないと解りません。

また、アパートに生活保護など受けている人がいる場合は、引っ越し先なども併せて探してあげることですね。引っ越し費用的にも落としどころを探るしかないです。ここら辺は、今まで借りてくれたことに感謝しながら、如何に親切に、出て行ってもらえるかを対応していくしかないと思います。

立退き費用を見込んで事業収支を組みましょう

事業収支を組むうえで、立ち退きがある場合は、しっかりと立退き費用を見込んでおきましょう。

事業収支が良くて、融資枠が余っていれば、銀行も融資してくれます。最近は、確認申請が通るまで融資実行をしない銀行もいますが、自腹で立て替えておいて、請求書、領収書、立ち退きの場合は合意書をためておき、確認申請が通り、大口の融資実行の時に纏めて支払ってもらうなどです。

ここら辺は、同じ金融機関でも全体の収支、資産拝見を見ながら対応が変わってくるので、融資相談の時に資金繰り表(出金予定表)を提出して相談してください。

必要であれば、当社でも資金繰り表を作っています。↓2度クリックすれば大きく綺麗に見えます。

上記の資金繰り表には、立ち退きは含まれていませんが、当然、着工前に出ていくお金ですね。

次回は、資金繰り表について説明していきます。

自己資金0でもマンション建てられるなどと、勘違いされる方もいるかもしれませんが、全てお任せの、ぼったくり系の土地活用系営業会社にお願いしない限り、融資実行までの多少の立て替え費用なども必要になるケースが多いので、安く建てたければ、数百万円程度の多少の自己資金の立て替えは必要です(着工後に融資受けるとかは別として)。

近々、資金繰り表について、説明の記事を書こうかと思います。

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